がんサバイバーにおける「第2のがん」リスクを高める重要因子とは
近年のがん治療の進歩により、がんを克服し長く生きる「がんサバイバー」は確実に増えています。その一方で、最初のがんを治療後、別の新しいがん(第2のがん)を発症するケースも決して珍しくなくなってきました。
第2のがん・重複がんとは
がんと診断された際、
- ほぼ同時期に別の部位にもがんが見つかる場合
- 治療後しばらくして新たながんが発生する場合
これらは「重複がん」あるいは「セカンドキャンサー(第2のがん)」と呼ばれます。
たとえばタレントの堀ちえみさんは、舌がんの治療直後に食道がんが見つかり、幸いにも早期(ステージ0)で治療を受けています。
乳がんサバイバーは第2のがんリスクが高い
研究によると、乳がんサバイバーは一般の人に比べて第2のがんを発症するリスクが約20%高いことが分かっています。
今回紹介されたのは、米国の研究機関で治療を受けた6,481人の乳がん患者を対象とした研究で、平均約7年(88か月)追跡調査が行われました。
その結果、
- **822人(12.7%)**が第2のがんを発症
- 10%を超える割合で、第2のがんが起こっていたことが明らかになりました
肥満と関連する第2のがんが多数
注目すべき点は、第2のがんの**62%(508人)が「肥満と関連するがん」**だったことです。
具体的には以下のがんが含まれます。
- 乳がん(最も多く40%)
- 大腸がん
- 子宮がん
- 卵巣がん
- 膵臓がん
ここで言う乳がんは、再発や転移ではなく、別の部位に新たに発生した乳がんです。
BMIの上昇がリスクを高める
肥満の指標である**BMI(体格指数)**が重要なリスク因子であることも示されました。
- BMIが5増加するごとに
- すべての第2のがんリスク:7%増加
- 肥満関連がんのリスク:13%増加
- 第2の乳がんのリスク:11%増加
つまり、がんサバイバーにおいても肥満は明確に第2のがんリスクを高めるという結果です。
第2のがんは予後や生活の質に影響する
第2のがんを発症すると、生活の質(QOL)が低下するだけでなく、第2のがんが死亡原因となるケースも少なくありません。
せっかく最初のがんを克服しても、新たながんが人生に大きな影響を与える可能性があります。
がんサバイバーが気をつけるべきポイント
① 定期的で慎重ながん検診
一度がんと診断された人は、常に第2のがんの可能性を意識し、より丁寧な検診を受けることが重要です。
特に、抗がん剤治療や放射線治療を受けた人はリスクが高まる可能性があります。
② 適正体重の維持と運動習慣
第2のがん予防のためには、生活習慣の改善、特に体重管理が重要です。
米国スポーツ医学会が示す「がんサバイバーのための運動ガイドライン」では、以下が推奨されています。
- 中等度の有酸素運動:30分以上、週3日以上
- 筋力トレーニング(レジスタンス運動):週2回以上
無理のない範囲で運動を継続することが、将来のがんリスク低減につながります。
まとめ
- がんサバイバーでは第2のがんは珍しくない
- 特に肥満は重要なリスク因子
- 定期検診と運動・体重管理が予防の鍵
がん治療後も「健康管理は続く」という意識を持ち、第2のがんを防ぐ生活習慣を心がけることが大切です。