発達障害の人の心と身体を癒す方法
~「がんばりすぎてしまうあなたへ」~
「なんだか毎日疲れる」「寝ても疲れが取れない」「小さなことにイライラしてしまう」
そんな日々を過ごしていませんか?
発達障害(ADHDやASDなど)のある人は、周囲との違いに気づきながらも「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込みやすい傾向があります。
しかし、心や身体は常にフル稼働しており、気づかないうちに限界を超えてしまうことも少なくありません。
今回は、心の疲れをチェックしながら、発達障害の人が心身を癒すための具体的な方法を紹介します。
■ 心の疲労チェックリスト

まず、自分の心がどれくらい疲れているか、下の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。
1. 夜眠れない
寝ようとしてもなかなか寝付けない。寝ても夜中に何度も目が覚めてしまう。
「体は疲れているのに、頭が休まらない」——それは心が疲れているサインです。
2. イライラしやすい
仕事や日常のちょっとした出来事に過敏に反応してしまう。
気持ちに余裕がなく、感情のコントロールが難しくなっているとき、心のエネルギーが不足しています。
3. 身体的な不調がある
頭痛や肩こり、胃痛、めまい、倦怠感など。
心と身体は密接につながっており、心の疲れが身体の症状として現れることがあります。
気になる方は、うつ病などの身体症状チェックリストも確認してみるのがおすすめです。
4. 集中できない
心に余裕があるとき、人は自然と集中できます。
しかし、心が疲れていると「好きなことにも手がつかない」「仕事でミスが増える」といった状態になりがちです。
以前はできていたことが急にできなくなったときも、心のSOSかもしれません。
5. 自分を否定してしまう
「どうせ自分なんて」「何をやってもダメ」
そんなふうに思うときは、心のエネルギーが低下しています。
ネガティブ思考が強くなっているときこそ、無理せず立ち止まることが大切です。
■ 発達障害の人が心を病みやすい理由
発達障害のある方が心身の不調を抱えやすいのは、「弱いから」ではありません。
その背景には、特性ゆえの努力や我慢があります。
1. 環境に合わせて我慢している
周囲と同じ行動ができるように、常に人間関係に気をつかっていませんか?
ADHDの人なら「話しすぎないように気をつける」、ASDの人なら「空気を読むように努力する」。
こうした「本来の自分を抑えて生きる」行動は、想像以上に大きなエネルギーを消費します。
2. エネルギー消費が多い
ADHD傾向のある人は、思考も行動も常にフル回転。
衝動的に動いたり、多動的に活動したりすることで、物理的にも精神的にも消耗しやすい特徴があります。
また、過集中が起きると、食事や休憩を忘れてしまい、集中が切れた瞬間に強い疲労感が襲ってくることも。
3. 感覚過敏
太陽の光や蛍光灯の光、周囲の雑音、におい、人の話し声など…。
一般の人が気にしない刺激でも、発達障害の人には苦痛に感じられることがあります。
この「感覚の強さ」も、知らず知らずのうちに疲労を蓄積させる要因になります。
4. 自己肯定感が低くなりやすい
自己肯定感とは、「自分の良いところも悪いところも認めて受け入れられる感覚」。
しかし、失敗体験や否定的な経験が重なると、「自分はダメだ」という思考にとらわれてしまうことがあります。
人から褒められても素直に受け取れず、自分を責めてしまう——。
こうした思考パターンは心に大きな負担をかけ、メンタルの不調を引き起こします。
■ 心と身体を癒す5つの方法
心のエネルギーが少なくなったときは、無理に前を向こうとせず、まず回復することを優先しましょう。
ここからは、発達障害の人が実践しやすい「癒しの方法」を紹介します。
① とにかく休む
「みんなできているのに、自分だけできない」と思い込み、限界まで頑張っていませんか?
心身の回復には、意識的な休息が必要です。
- 仕事の合間に小休憩を取る
- 睡眠時間を削らない
- 休日は「何もしない日」を作る
- 軽い運動(ウォーキングやストレッチ)を取り入れる
“休むこと”は怠けではなく、“次に進むための準備”です。
② 道具を活用する
感覚過敏や過集中など、自分の特性に合わせたツールを取り入れると、日常がぐっと楽になります。
- 眩しさが気になる → 遮光サングラス
- 雑音がつらい → ノイズキャンセリングイヤホン
- 過集中で時間を忘れる → アラームやタイマーで休憩を知らせる
ツールを使うことで、無駄な我慢を減らし、心のエネルギーを温存できます。
③ 環境を見直す
疲れやストレスの多くは、「環境」に原因がある場合もあります。
- 通勤ラッシュを避けるため勤務時間をずらす
- 通いやすい職場に引っ越す
- 公園や自然の中で休憩を取る
- 職場の人にサポートをお願いする
- 合わない職場で無理を続けるより、転職を検討する
「頑張ること」よりも、「自分に合った環境をつくること」が大切です。

④ 自己肯定感を高める
小さな成功体験の積み重ねが、自己肯定感を育てます。
- 朝起きられた
- 今日は怒らずに過ごせた
- いつもより早く仕事が終わった
どんなに小さなことでも、自分を「よくやったね」と認める習慣をつけていきましょう。
また、認知行動療法などの心理的アプローチも、思考の癖を整える助けになります。
⑤ 相談する
悩みを一人で抱え込まないことも大切です。
心の中にあるモヤモヤを吐き出せる相手がいるだけで、気持ちは大きく変わります。
信頼できる友人や家族、主治医、カウンセラー、発達障害者支援センターなど、
安心して話せる場所を見つけることが、心の回復の第一歩になります。
■ まとめ
発達障害のある人は、日常の中で人一倍努力を重ねています。
しかし、その分だけ疲れやすく、心のエネルギーが枯渇しやすいのです。
心が疲れているときは、
「もっと頑張らなきゃ」ではなく、
「少し休んでも大丈夫」と自分に優しく声をかけてあげてください。
心と身体を癒すために必要なのは、特別なことではありません。
- 休む
- 助けを借りる
- 自分を責めない
この3つを意識するだけで、少しずつエネルギーは戻ってきます。