【発達障害】止まらない怒りを瞬時に沈める方法4選【ADHD・ASD・アンガーマネジメント】

はじめに

発達障害のある方の中には、「ついカッとなってしまう」「些細なことで強い怒りを感じてしまう」といった悩みを抱えている方が少なくありません。
後から冷静になって「どうしてあんなに怒ってしまったのだろう」と後悔することもあるでしょう。

怒りの感情は誰にでもあるものですが、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ方は、感情のコントロールが難しい傾向があるとされています。
しかし、怒りをうまく扱うための考え方やトレーニングを身につけることで、人間関係や日常生活をより穏やかに過ごすことは可能です。

この記事では、発達障害の特性と怒りの関係を踏まえながら、「アンガーマネジメント」の考え方をもとに、怒りを瞬時に沈める4つの方法をご紹介します。

発達障害とは?

発達障害とは、生まれつき脳の機能の一部に偏りがあることによって、社会生活の中で生きづらさを感じやすい状態の総称です。
主に以下の3つのタイプに分類されます。

  • ADHD(注意欠如・多動症):不注意・衝動性・多動性といった特徴があり、思いついたことをすぐに行動してしまうことがあります。
  • ASD(自閉スペクトラム症):対人関係やコミュニケーションが苦手で、強いこだわりを持つ傾向があります。
  • LD(学習障害):読み・書き・計算など、特定の分野に困難を抱えるタイプです。

これらの特性は性格や努力の問題ではなく、脳の働き方の違いによるものです。特にADHDやASDの方は、感情の起伏が激しくなりやすいことが指摘されています。

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは?

「アンガーマネジメント」とは、怒りの感情をうまく扱い、自分や他人を傷つけないようにコントロールするための心理的スキルです。

怒りを「なくす」ことはできません。人間にとって怒りは防衛本能の一部であり、危険や不公平を察知したときに自然に湧き上がる感情です。
しかし、怒りに振り回されてしまうと、後悔やトラブルを招いてしまいます。

アンガーマネジメントでは、怒りを「コントロール可能なもの」として捉え、感情の原因を理解し、冷静に行動できる自分を育てることを目的としています。
特に発達障害のある方にとっては、感情の整理や自己理解を深めるきっかけとして非常に有効な手法です。

怒りのタイプを知る

自分がどのような場面で怒りやすいのかを知ることは、アンガーマネジメントの第一歩です。
心理学的には、怒りの傾向を6つのタイプに分類することができます。

  1. 公明正大タイプ
     他人の間違いや不正に強い怒りを感じます。正義感が強く、ルール違反を許せないタイプです。
  2. 博学多才タイプ
     知的レベルが高く、効率や合理性を重視します。優柔不断な人や、努力しない人にイライラしやすい傾向があります。
  3. 威風堂々タイプ
     自分の評価が低く見られると怒りを感じやすいタイプです。プライドが高く、自分を軽視されることを嫌います。
  4. 天真爛漫タイプ
     物事がスムーズに進まないと強いストレスを感じます。自分の思い通りにならないと怒りに変わることがあります。
  5. 外柔内剛タイプ
     人に頼まれると断れず、ストレスを溜め込みやすいタイプです。我慢の限界を超えると爆発的な怒りが出てしまうことがあります。
  6. 用心堅固タイプ
     人を信用するのに時間がかかり、他人の行動に不安を感じやすいタイプです。人間関係のトラブルで怒りやすい傾向があります。

自分がどのタイプに近いかを理解することで、怒りを感じる「引き金(トリガー)」を意識できるようになります。

怒りを沈める4つの方法

六秒待つ

怒りの感情は

怒りの感情は、発生から約6秒間がピークと言われています。
つまり、この6秒をやり過ごすことができれば、怒りは少しずつ収まっていくのです。

「今は怒りの波が来ているだけ」と心の中でつぶやき、深呼吸をしてみましょう。
自分を落ち着かせる言葉(例:「大丈夫」「落ち着こう」「後で考えよう」など)を唱えるのも効果的です。
この6秒をやり過ごせるかどうかが、アンガーマネジメントの最初の分岐点になります。

「~すべき」を手放す

「こうあるべき」「普通はこうするべき」といったべき思考は、怒りの大きな原因の一つです。
特にASD傾向のある方は、ルールや秩序を重視するあまり、他人の行動に強い不快感を抱きやすい傾向があります。

自分の中の「べき」を少し緩め、「人には人の考え方がある」と意識することで、怒りの発火点を減らすことができます。
完全に手放すことは難しくても、「絶対に」ではなく「できればそうしてほしい」くらいに考えるだけで、気持ちはぐっと楽になります。

怒りの場面から離れる

怒りの感情がピークに達したときは、物理的にその場から離れることが最も効果的です。
頭では冷静でいようと思っても、感情の渦中では難しいものです。

席を立って別の部屋に移動する、トイレに行く、外の空気を吸うなど、少し距離を置くことで脳が冷却されます。
人と対立しそうになったときも、「少し時間をおいて話そう」と伝えるだけで、トラブルを未然に防げるでしょう。

アンガーログをつける

「怒りの日記」をつけるのも有効な方法です。
怒りを感じた日時、出来事、相手、怒りの度合い(10段階など)を簡単に記録します。

ポイントは、怒りを感じた直後に書くことです。時間が経つと感情が薄れ、正確な自己分析ができなくなります。
ログを続けることで、「どんな状況で怒りやすいのか」「どのタイプの人にストレスを感じるのか」など、自分の傾向が見えてきます。
これにより、「同じ場面で次はどう対応するか」を事前に考えられるようになります。

まとめ

怒りを完全になくすことはできません。
しかし、アンガーマネジメントを活用すれば、「怒りに支配される自分」から「怒りを上手に扱う自分」へと変わることができます。

発達障害の方にとって、感情の波は避けられないものです。だからこそ、自分の怒りのパターンを理解し、冷静に立ち戻るための方法を身につけておくことが大切です。

怒りを抑えようと無理をするのではなく、怒りと上手に付き合う
その積み重ねが、より穏やかで生きやすい日常につながっていくでしょう。