発達障害の40代は就職できない…?お答えします【ADHD・ASD】

はじめに

「40代になってからの就職活動は難しいのではないか」「発達障害を抱えているとさらに不利になるのではないか」――このような不安を抱える方は少なくありません。
実際、就職や転職において「35歳の壁」という言葉が語られることもあります。しかし、発達障害のある40代の方が本当に就職できないのかというと、必ずしもそうではありません。

本記事では、発達障害と就職の関係、特に40代での就職活動に焦点を当て、現状やデータ、そして成功のためのコツをわかりやすく解説していきます。

発達障害とは?

発達障害とは?

まず前提として、発達障害について簡単に確認しておきましょう。
発達障害は、生まれつき脳の機能の一部に偏りがあることによって、社会生活や人間関係で困難を感じやすくなる特性のことを指します。主に以下の3つに分類されます。

  • ADHD(注意欠如・多動症):不注意、多動性、衝動性が目立つ。
  • ASD(自閉スペクトラム症):コミュニケーションや対人関係に困難があり、強いこだわりを持つ。
  • LD(学習障害):読み書きや計算など特定の学習分野に困難がある。

それぞれの特性によって苦手なことは異なりますが、同時に強みや得意分野を持つ方も多いのが特徴です。

40代の就職は難しいのか?

一般的に「35歳を超えると転職は難しい」と言われることがあります。求人票の中には「35歳以下」と記載されているものも存在し、年齢制限を感じてしまう方もいるでしょう。

ただし、現在の法律では年齢だけを理由に採否を決めることは禁止されています。企業が若い人材を求める場合も、「キャリア形成」や「長期的な育成」を理由とする限定的なケースに限られます。

では、40代の発達障害のある方は本当に就職が難しいのでしょうか。実は、障害者雇用に関してはポジティブなデータがあります。

データから見る40代の就職状況

発達障害とは?

厚生労働省の「労働市場分析レポート」(平成28年度)によると、障害者雇用において40代の就職件数は全体の26%と最も高い割合を占めています。続いて30代が21.4%であり、むしろ40代は就職活動の中心的な層となっているのです。

さらに、障害者雇用全体では、一般雇用に比べて「年齢が高めの層の就職割合」が相対的に高い傾向があります。
これは企業が障害者雇用を行う際、年齢よりも障害特性と業務内容のマッチングを重視していることを示しています。

つまり、40代だから不利になるというよりも、「自分の特性と業務が合うかどうか」が最大のポイントになるのです。

就職率の上昇と今後の展望

障害者雇用の就職率は、平成23年度と平成28年度を比較すると上昇しており、近年は改善傾向にあります。これは法定雇用率の引き上げが背景にあります。

法定雇用率とは、企業が一定割合以上の障害者を雇用しなければならないという制度です。この割合は年々引き上げられており、今後も上昇が見込まれています。
そのため、障害のある方にとって就職のチャンスは今後さらに広がっていくと考えられます。

40代就職活動の3つのコツ

ここからは、発達障害のある40代の方が就職活動を進めるうえで大切なポイントを3つ紹介します。

40代就職活動の3つのコツ

1. 自分の障害特性を理解し、適切に伝える

企業が最も重視するのは「特性と業務のマッチング」です。
そのためには、以下の3点を整理しておきましょう。

  1. 自分の障害特性(得意・不得意)
  2. 特性を補うために工夫していること
  3. 企業や上司に配慮してほしい点

これらを明確に伝えられれば、採用担当者は安心して採用を検討できます。逆に、自分の特性について説明できないと「実際に働けるのか不安」と思われ、選考に不利になる可能性があります。

必要に応じて、就労移行支援などの支援機関を活用するのも効果的です。

2. 「過去の実績」ではなく「今後の貢献」をアピール

40代の方は20年以上の職務経験を持っているケースも多く、「過去の実績」をアピールしたくなります。もちろんそれも大切ですが、それだけでは不十分です。

重要なのは、過去の経験をどう活かして会社に貢献できるのかを具体的に伝えることです。
例えば、

  • 「複数の業種で経験を積んだことで、どの現場でも丁寧に仕事を進める姿勢を培った」
  • 「これまでの接客経験を活かし、御社の顧客対応をさらに改善できる」

といったように、経験と今後の活躍を結びつけて説明すると説得力が増します。

3. 油断せずに面接対策を行う

40代の方は就職経験が豊富である分、「面接には慣れている」と思いがちです。しかし、それが油断につながることもあります。

20代の応募者は、経験が少ない分だけ入念に準備して面接に臨みます。一方で、40代の方が準備不足で面接を受けると、熱意や真剣さが伝わらず不利になる可能性があります。

志望動機や自己PR、想定質問への回答を事前に整理し、できれば模擬面接も受けてみましょう。経験やスキルに加えて「準備の丁寧さ」を示すことが、採用担当者に良い印象を与えます。

まとめ

まとめ

発達障害を持つ40代の方が就職できない、というのは誤解です。実際には、障害者雇用の中で40代の就職件数は最も多く、年齢よりも特性と業務の相性が重視されています。

今後も法定雇用率の上昇に伴い、発達障害を持つ方にとっての就職機会は拡大していくと考えられます。

そのためには、

  1. 自分の障害特性を理解し、企業にわかりやすく伝えること
  2. 過去の実績よりも、今後の貢献をアピールすること
  3. 油断せず、丁寧に面接対策を行うこと

この3つを意識することで、40代からでも十分に就職は可能です。

「年齢のせいで無理」と諦めるのではなく、自分の特性を理解し、活かせる環境を探す姿勢が大切です。40代であっても、発達障害を持っていても、自分らしく働ける場は必ず見つかります。