【大人の発達障害】会社勤めが向いてない理由【仕事が続かない原因を解説】ADHD・アスペルガー・自閉症スペクトラム・ASD

1.発達障害とは何か

まず最初に、改めて発達障害について簡単に触れておきます。
発達障害とは、生まれつき脳の一部の機能に偏りがあることによって、日常生活や社会生活の中で生きづらさを感じやすい特性を指します。

代表的な分類としては、注意欠如・多動症(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)などが挙げられます。それぞれの特徴や支援の仕方については別の動画で詳しくご紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。


2.発達障害の方の離職率

では実際に、発達障害のある方が「仕事を続けられる割合」についてデータを基に見ていきましょう。
参考とするのは「障害者の職業状況に関する調査研究」です。この調査では、お仕事を始めてから1年後にどれくらいの方が職場に定着できているかを示しています。

その結果、発達障害の方の1年後の定着率は 71.5%
一方で精神障害の方は 49.3% という数値であり、全体の障害種別で比較してみても、発達障害の方は相対的に定着率が高い傾向にあることが分かります。

ただし、一般雇用の新卒社員の定着率は 85〜90% 程度とされており、それと比べると障害を持つ方全体の定着率はまだまだ低いという現状があります。


3.雇用形態による違い

次に、どのような雇用形態で働いているかによって定着率がどのように変わるのかを見ていきましょう。
障害のある方の働き方は大きく3つに分けられます。

  1. 障害者雇用枠で働く場合
  2. 一般雇用で、障害を開示して働く(一般オープン)場合
  3. 一般雇用で、障害を開示せずに働く(一般クローズ)場合

それぞれの1年後の定着率は以下のとおりです。

  • 障害者雇用:70.4%
  • 一般オープン:49.9%
  • 一般クローズ:30.8%

このように、障害者雇用で働く場合は比較的定着率が高いのに対し、一般クローズでは3割しか残れないという厳しい現実があります。つまり、雇用形態によって約40%近くの差が生まれているのです。


4.なぜ定着が難しいのか

では、なぜ一般オープンやクローズでの定着率が低いのでしょうか。
特に「オープン」で働いているにもかかわらず、なぜ続けにくいのかと疑問を持たれる方も多いと思います。

これは、企業側の障害理解の不足が大きな要因の一つです。採用の段階では「障害があっても大丈夫」と受け入れてくれる姿勢を示していても、実際に働き始めると、想定と現実のギャップが生じやすくなります。その結果、「これは性格の問題ではないか」と誤解されてしまったり、配慮が十分に得られないまま働きづらさが積み重なり、離職につながってしまうケースが少なくありません。


5.離職理由のランキング

5.離職理由のランキング

次に、実際にどのような理由で退職することが多いのかを見てみましょう。
「障害者雇用実態調査」によると、精神障害・発達障害を含む方々の離職理由の上位は以下のようになっています。

  1. 職場の雰囲気や人間関係(33.8%)
  2. 賃金や労働条件への不満(29.7%)
  3. 疲れやすく体力や意欲が続かなかった(28.4%)
  4. 仕事内容が合わなかった(28.4%)
  5. 作業能率の面で適応できなかった(25.7%)
  6. 症状の悪化や再発(25.7%)

特に「人間関係」は3人に1人以上が理由として挙げており、非常に大きな課題となっています。


6.定着のために大切なこと

6.定着のために大切なこと

それでは最後に、発達障害の方が職場に定着し、長く働き続けるために大切なポイントをお伝えします。

最も重要なのは 業務のマッチング です。
自分の得意・不得意を正しく理解し、可能であれば障害特性を職場に伝えて必要な配慮を得ること。そして、実際の仕事内容や職場環境とできるだけ齟齬がないようにすることが欠かせません。

また、就職後には「定着支援」という制度を利用できる場合があります。特に最初の6か月間は離職率が最も高い時期であるため、この時期に支援を受けながら職場に慣れていくことが非常に重要です。

さらに忘れてはならないのは 意識の持ち方 です。
「配慮してもらって当たり前」という姿勢ではなく、「自分も会社に貢献していきたい」という気持ちを持つことが、結果として良好な人間関係や安定した職場生活につながります。


まとめ

発達障害の方が仕事を続けにくい背景には、雇用形態や職場環境、企業側の理解不足、人間関係の課題など、さまざまな要因があります。
しかし、自分の特性に合った職場を選び、支援制度を活用し、そして前向きな姿勢を持つことで、安定して働き続けることは十分に可能です。