心理検査における知能指数の不安について
今回は「心理検査における知能指数(IQ)が心配です」というご質問について、詳しく解説していきます。
知能指数の数値には長所と短所がある
今回いただいたご質問は、「発達障害を疑って心理検査を予定しています。しかし、心理検査で知能指数が数値として出ることが大変心配です」という内容です。
このご質問に対しての回答の要点は、「確かに難しい問題ですが、検査を受けるかどうかも含めて総合的に検討することが大切」という点になります。
発達障害とは?
発達障害とは、生まれつきの脳の特性によるものであり、幼少期に診断されることが多いですが、大人になってから気づかれることもあります。代表的なものとして、以下の2つがあります。
- ADHD(注意欠陥・多動性障害):不注意や衝動性が特徴的。
- ASD(自閉スペクトラム症):対人関係や社会性に困難を抱える。
発達障害の診断には、問診を中心とした評価が行われますが、確定診断のためには心理検査を実施することが多いです。
WAIS検査とは?
代表的な心理検査のひとつとして**WAIS検査(ウェクスラー成人知能検査)**があります。
- 約2時間かけて様々な課題に取り組む。
- 知能指数(IQ)のほか、4つの「群指数」と呼ばれる項目で詳細な分析を行う。
- 得意・苦手のばらつきを客観的に把握できる。
- 検査中の様子なども診断の参考となる。
WAIS検査では、各数値の平均は100とされ、約95%の人が70~130の範囲に収まります。
数値化には長所と短所がある
知能指数を数値化することには、メリットとデメリットの両面があります。
メリット
- 分かりやすい:数値として示されるため、直感的に理解しやすい。
- 対策に活かしやすい:得意・苦手が明確になるため、具体的な支援策を立てやすい。
- 周囲への説明がしやすい:支援者や関係者に対して、理解を深めてもらいやすい。
デメリット
- 数値が目立ちすぎる:個性や能力が数値に埋もれてしまう可能性がある。
- レッテルを貼られる危険性:自分自身や他者から「〇〇だからできない」と決めつけられるリスクがある。
- 知能指数が「その人全体」を表すわけではない:特にIQは、本人の総合的な能力や人間性を反映するものではない。
知能指数(IQ)は、あくまで検査時のパフォーマンスを数値化したものであり、全人格や将来性を決定づけるものではありません。
知能指数の限界を理解する
知能指数の数値に対する不安を和らげるためには、その限界を理解することが重要です。
- 知能指数は、あくまで検査の結果の一つであり、その人の全体像を表すものではない。
- 得意・苦手の傾向は分かるが、創造性や情緒的な特性、社会性などは測れない。
- 個性や特技はIQには反映されないため、数値にとらわれすぎないことが大切。
また、どうしても不安が大きい場合は、心理検査を受けるかどうか、慎重に検討することも一つの選択肢です。
まとめ
今回のご質問「心理検査の知能指数が心配です」について、以下のように整理しました。
- 発達障害の診断では、問診に加えて心理検査(WAIS検査など)を行うことが多い。
- WAIS検査では知能指数(IQ)が数値として示されるが、メリット・デメリットがある。
- IQは参考にはなるが、「その人全体」を表すものではなく、数値にとらわれないことが重要。
知能指数の数値を活用しながらも、それにとらわれすぎず、自己理解を深める手がかりとして前向きに活用することが大切です。