統合失調症です。薬を飲みたくありません。
統合失調症の診断を受けた方の中には、「薬を飲みたくない」と感じる方も多くいらっしゃいます。その気持ちは理解できますが、結論としては、 「気持ちは分かります。しかし、薬は必要です」 ということになります。本記事では、統合失調症の治療における薬の必要性と、服薬への葛藤について詳しく解説します。
1. 統合失調症とは
統合失調症は、 幻聴や妄想が目立つ脳の病気 であり、その背景には 脳内のドーパミンの過剰 が関係していると考えられています。そのため、治療の基本は ドーパミンを抑える抗精神病薬を継続すること です。
1.1 抗精神病薬の役割
抗精神病薬は、主に ドーパミンの過剰を抑えることで症状を改善 させる効果があります。
- 急性期(症状が強い時)の改善
- 再燃(ぶり返し)の予防
統合失調症の治療では 薬の継続が原則 であり、一生涯続ける必要がある場合も少なくありません。
2. 薬をやめるとどうなるのか
統合失調症の薬をやめると、 高い確率で再燃する 可能性があります。
2.1 高確率で再燃する
- 研究によると 1年で78%、2年で96%が再燃 すると報告されています。
- 入院が必要になるケースの多くが 薬をやめた後に発生 しています。
- 数ヶ月~2年の時間差で再燃 する場合もあります。
2.2 激しい症状で再燃する
- 薬が再燃を抑えるストッパーの役割 を果たしているため、
- 薬をやめると より強い幻聴や妄想 が現れる可能性が高くなります。
- 入院が必要 になるケースが増え、自傷・他害の危険性も高まります。
2.3 再燃後の影響
- 症状が残るリスク(例:幻聴が消えにくくなる)
- 認知機能や意欲の低下
- 再燃後は より強い薬が必要 になり、副作用のリスクが増える
結論:精神医学的には薬の継続が必要です。
3. それでも薬を飲みたくない理由
統合失調症の治療を続ける中で、薬を飲みたくなくなる理由はいくつかあります。
3.1 副作用への不安
抗精神病薬には副作用があり、 服薬が負担に感じられること があります。
- パーキンソン症状(手足の震え、動きにくさ)
- 便秘、口の渇き
- 食欲増加、体重増加
- 眠気、だるさ
*対策:副作用への対処法
- 減薬や変薬を主治医と相談 しながら進める
- ただし、 減薬・変薬は再燃のリスクがある ため慎重に
「飲む負担を減らしつつ、安全に続ける」ことが重要です。
3.2 薬を続けることへの葛藤
統合失調症の薬を継続することに、 心理的な葛藤 を感じる方もいます。
*よくある葛藤の例
- 毎日薬を飲むのが面倒
- 副作用が気になる
- 病気が安定すると薬の効果を実感しにくい
- 「病者であること」を認めたくない
*対策:病気について学ぶ
- 統合失調症の病気について学び、再燃リスクを理解する
- 服薬継続の重要性を実感することが大切
3.3 病識(びょうしき)の問題
「病識」とは 自分が統合失調症であることを認識すること です。
- 病識がないと服薬が困難になる
- 統合失調症では 病識を欠く場合も多い
*病識がない時の対策
- まず その人が自覚している症状を共有 する
- その症状を改善するための 薬の必要性を説明する
- 例:「統合失調症じゃないけど、幻聴がつらい」という場合 → 「幻聴を和らげる薬を試してみよう」
3.4 病気や人生への葛藤
統合失調症の診断を受けると、 人生や将来について不安になる ことがあります。
*よくある葛藤
- 再燃リスクが常にある
- 以前のように活動できない
- 社会復帰への不安、偏見の問題
*徐々に受け入れるヒント
- 病気になったことで得られたことを見つける
- 自分の生きる軸を明確にする
- 未来への希望・楽観性を持つ
4. まとめ
統合失調症の治療では、 薬の継続が非常に重要 です。
*ポイントまとめ
✅ 薬をやめると高確率で再燃する
✅ 再燃するとより重症化する可能性がある
✅ 再燃後は薬の量が増え、副作用も強くなる
✅ 副作用がある場合は減薬・変薬を主治医と相談
✅ 病識がない場合は、自覚している症状に焦点を当てる
✅ 病気への葛藤を徐々に受け入れる工夫が必要
*最後に
「薬を飲みたくない」と感じるのは自然なことですが、 薬を続けることが安全で安定した生活への最善策 です。服薬が負担に感じる場合は、 主治医と相談しながら、より負担の少ない治療法を探していくことが大切 です。
「負担を減らしながら、安全に続ける」ことを目指しましょう。