グアンファシン(インチュニブ):衝動に強いADHD治療薬
ADHD治療薬としてのグアンファシン(インチュニブ)
グアンファシン(インチュニブ)は、多動・衝動の症状に特に効果が期待されるADHD治療薬であり、依存のリスクがないことが特徴です。一方で、日中の眠気や倦怠感といった副作用が生じる可能性があり、効果が現れるまでに1~3週間を要することが一般的です。
ADHDとは?
ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意・多動・衝動性が特徴の生来の発達障害です。幼少期に診断されるケースが多いですが、成人後に日常生活での困難が顕著になることで判明することもあります。治療には薬物療法とともに、生活習慣の工夫が重要となります。
ADHDの主要な症状
ADHDの症状は大きく3つに分類されます。
- 不注意:集中力が続かず、物をなくしたり、先延ばしにする傾向がある。
- 多動:じっとしているのが苦手、考えが絶えず巡る、話しすぎるなどの特徴がある。
- 衝動性:思いついたらすぐ行動に移してしまう、感情の起伏が激しい。
ADHDの脳機能の特性
ADHDの原因として、脳の2つの機能障害が関係しています。
- 実行機能の障害(前頭葉):ノルアドレナリンやドーパミンの不足により、計画性や注意力の維持が困難。
- 報酬系の障害(側坐核):ドーパミンの不足により、すぐに報酬が得られないと注意が続かず、待つことが難しい。
グアンファシンの作用機序
- 前頭葉のα2受容体を刺激:神経シグナルの伝達を強化し、実行機能の改善を促す。
- 交感神経の抑制:緊張を和らげ、衝動性やイライラを軽減。ただし、血圧低下や眠気の副作用もある。
グアンファシンの特徴
- 長所:
- 衝動性・怒りの抑制に効果的
- 比較的早く効果が現れる(1~3週間)
- 消化器系の副作用や依存性が少ない
- 短所:
- 不注意への効果が限定的
- 眠気や倦怠感が強く出ることがある
- 有効量まで増やすのに時間がかかる
グアンファシンの適応場面
- 多動・衝動・怒りが主な症状の場合
- アトモキセチン(ストラテラ)が効果不十分、または副作用で継続困難な場合
- 依存のリスクを避ける必要がある場合(アトモキセチンとの併用も選択肢)
実際の使用方法
- 開始量:通常は2mgを夕方または就寝前に服用(1mgから始めることも)
- 経過観察:2~4週間は初期量で様子を見る。副作用が強い場合は無理に増量せず、少量で対応。
- 増量の目安:効果が不十分な場合は1mgずつ増量し、最大6mgまで調整可能。
- 副作用対応:増量後に副作用が目立つ場合は、増量前の量に戻す。不十分な場合は他の薬や生活工夫を検討。
まとめ
グアンファシン(インチュニブ)は、特に衝動性や怒りに効果が期待できるADHD治療薬です。依存のリスクがなく、比較的早く効果が現れる一方で、眠気や倦怠感といった副作用が出る可能性があります。個々の症状やライフスタイルに応じた適切な使い方が求められます。