チック症【急に声や動きが出る不調、時に発達障害を合併】

チック症について詳しく解説

はじめに

チック症は心療内科や精神科の分野で扱われる病気の一つです。一般的に小児科で見られることが多い症状ですが、大人でも発症することがあります。突然まばたきを繰り返したり、無意識に咳をしたり、声を出してしまうなどの症状が特徴です。今回は、このチック症について詳しく見ていきます。

チック症とは

チック症とは、無意識に声や動きを繰り返し出してしまう病気です。例えば、突然まばたきをしたり、顔をしかめたりする人がいます。また、急に咳払いをしたり、鼻を鳴らしたりするケースも見られます。さらに、一部の人は無意識に単語を発したり、意味のない言葉を繰り返したりすることがあります。

音声チックと運動チック

チック症の症状は、大きく「音声チック」と「運動チック」の2種類に分けられます。

音声チック

音や声に関するチックで、単純性と複雑性に分けられます。

  • 単純性音声チック:咳払い、鼻を鳴らす、うなるなどの単純なもの
  • 複雑性音声チック:言葉を繰り返す「同語反復」、他人の言葉をそのまま真似る「反響言語」、無意識に不適切な言葉を発する「汚言」など

運動チック

体の動きに関連するチックで、こちらも単純性と複雑性に分けられます。

  • 単純性運動チック:まばたき、顔をしかめる、肩をすくめるなどの単純な動き
  • 複雑性運動チック:他人の動きを真似る「反復動作」、無意識に不適切な動きをする「汚行」など

チック症の分類

チック症は、症状の持続期間や種類によって以下のように分類されます。

暫定的チック症

  • 運動チック・音声チックのどちらか、または両方が1年未満続く場合

持続性チック症(持続性音声チック症・持続性運動チック症)

  • 1年以上続くが、運動チックまたは音声チックのどちらか一方のみが現れる場合

トゥレット症(トゥレット症候群)

  • 1年以上続き、運動チックと音声チックの両方が現れる場合

チック症の特徴

チック症の発症は4~6歳ごろが多く、10~14歳にピークを迎えることが一般的です。多くの場合、大人になると症状が軽減される傾向にありますが、一部の人では成人後も残ることがあります。なお、18歳以上で新たに発症するケースは非常に稀とされています。

また、チック症のある人は、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)といった発達障害、強迫性障害(OCD)を合併することが多いことも知られています。

チック症の治療

現在、チック症に対する特効薬は存在しません。そのため、治療の基本はストレスの軽減と経過観察になります。チック症は、意識して抑えようとすると逆に症状が悪化することがあるため、なるべく気にしないことが重要です。

一方で、1年以上症状が続き、日常生活に支障をきたすような重度のケースでは、精神科での治療が検討されます。その場合、抗精神病薬などが処方されることがあります。

まとめ

チック症は、無意識に音や動きを繰り返してしまう病気で、小児期に発症しやすい傾向があります。多くの場合は成長とともに改善しますが、一部の人では成人後も症状が残ることがあります。チック症の症状には音声チックと運動チックがあり、それぞれ単純性と複雑性に分類されます。

治療に関しては、基本的にはストレスを減らし、症状を気にせずに経過を見守ることが重要です。ただし、症状が慢性的に続き、生活に支障をきたす場合には、精神科の薬を検討することがあります。

チック症について正しい知識を持ち、適切に対応することが、本人や周囲の人々にとって大切です。