【統合失調症療養のコツ】妄想には一歩引く

今回は、統合失調症の『妄想』症状に関するお話です。

統合失調症は悪化した時の主な症状として、『幻覚』と『妄想』の2つが良く挙げられます。
治療には抗精神病薬が使われ、服用することで症状の改善や再発防止を目指します。
服薬治療により症状は改善されていく傾向にありますが、人によっては慢性的に症状が残る可能性もあります。

ここで今回のお話のテーマである、統合失調症の『妄想』症状について軽くご説明します。

統合失調症の妄想とは、特有な考えを固執しており、その上で他人の介入による考えの訂正が困難な症状を言います。妄想の種類は様々ありますが、主に自分が誰かに倒されるでは等と思い込む『被害妄想』が出る方が多いです。
また、統合失調症のもう1つの主な症状である『幻覚』や『幻聴』など、他の症状とも影響して症状が出ているというケースもあります。

この、妄想症状には注意しなければならないことがあります。
1つは、妄想によって行動の中身が決まってしまうなど、妄想が行動に影響を及ぼす点があるということです。中には被害妄想により、「自分は狙われの身なのだから、正当防衛も許される」といった妄想による考えにより、妄想の対象になっている他人への他害行為が本人の中で正当な行動だと誤認してしまう恐れもあります。

もう1つは、妄想による他の症状の誘発が起こり得る可能性があることです。被害妄想の症状が悪化すると、常に自分は誰かに狙われている等の緊張した状態が続くようになります。この状態では強いストレスが絶えず続いていることにもなるため、不眠の症状が現れる可能性があります。この不眠症状を切欠に、急性的に混乱状態に陥る恐れもあるのです。

では、どのようにして妄想の症状を治して行くのでしょうか。
先述したとおり、治療には抗精神病薬を継続して服用し続ける、服薬治療が主な治療方針となります。服薬を続けることで妄想を少しずつ減らし、再発しないように努めていくのです。
ですが、服薬を続けていても症状が残る事もあります。この場合は少しずつ、妄想に影響を与える要素を減らしていくのと共に、『認知行動療法』を取り入れていく方法もあります。

妄想は、その人の独自な視点や考え方が固執されたものです。認知行動療法では、自分の妄想とは逆のことを考え、一歩そこから引いて見て、別の見方が無いかを探すのです。
また、相手の視点や全体の視点を考え、自身が持つ根拠とは真逆の根拠を見出して、自分の考えともう1つの考えの中間に位置する見方を探す、という方法もあります。

しかし、このやり方は限界が存在します。
この認知行動療法や別の見方を探すというものは、あくまでも服薬治療を続けながらも、残った症状に対する補助的な治療法の一つになります。また、自分の妄想を俯瞰して見ることは、簡単にはでき辛いものであります。

人によっては、妄想の症状は長い付き合いとなる方もいます。症状が和らぐまでに10年や20年の長い年月を要することもあるのです。
症状と共に、長い期間をかけて認知行動療法や別の見方をする療法に取り組んでいく。
長い道のりとなりますが、ゆっくり自分の症状と向き合っていくのが、妄想症状を和らげる確かな道筋と言えるでしょう。

統合失調症の主な症例の一つである『妄想』は、薬による服薬治療が主になっていきます。そこに補助的な役割として『認知行動療法』や、別の見方を探す考え方が存在します。
妄想は時に他人に悪影響を及ぼします。自分の妄想が他人に影響を与える前に、自分の妄想に影響のある要素を減らしていく。
少しずつ症状と向き合いながら、補助的な方法を取り入れて、治療を続けていきましょう。