今回は統合失調症の早期受診・早期治療についてのお話です。
統合失調症とは、症状が悪化すると幻覚や被害妄想、急に強い混乱が生じるといった症状が現れる、脳の不調からくる病気のことです。主な治療方法は抗精神病薬を継続して服用することで、症状の改善や再発防止を図ります。

統合失調症は、症状の発症から治療開始に至るまでの期間、いわゆる「未治療期間」が短ければ短いほど、治療後の予後がいいと言われています。逆に未治療期間が長引くと、薬の効果は弱まりますし、幻聴などの症状も残りやすくなります。また、入院治療が必要になる可能性もあるのです。
では、統合失調症の早期受診、早期治療に結びつくためには、どのようなことを気をつけば良いのでしょうか?
このことについて、一つの考え方があります。それはARMSと呼ばれる指標を用いる方法です。
ARMSとは別名、精神病発病危険状態と言います。
ARMSの中には強い不安感・不眠が強い・何度も手を洗ってしまうといった強迫的行動・特徴的ではないが、不安定な症状といった症例が存在しており、症状を確認したうえで統合失調症の診察の一助となりうることが出来ます。
しかし、ARMSの中にある症例に当てはまるからといっても、実際に統合失調症になるケースは全体の2割から4割程度です。この症例を過信しすぎると、統合失調症でもないのにそう診断されてしまう、過剰診断のリスクがありますので、この点には細心の注意が必要です。
ARMSの症例を元に精神科などを受診した後は、以下の3つのルートに分かれていきます。
受診して、統合失調症の症状が強く出ている場合は、統合失調症という診断の元で治療を進めて行きます。もし、受診してみて違う病気の症状が確認された場合は、その違う病気への治療が進められます。
中には、どちらとも取れないグレーゾーンの診断が下される可能性もあります。この場合は経過を観察することとなり、症状が強く表れたらその症状の治療を始める、という具合で、治療方針を決めていきます。
統合失調症は、早期受診と早期治療をすることで、予後の回復が大いに見込める病気です。
ARMSという指標で兆候をつかむ事も出来ますが、その症例移行の正確さは2割から4割と低めなので、過剰診断のリスクも高くあります。
しかし、他の精神疾患を早くに見つける指標となる可能性もありますし、他の精神疾患の早期治療にも繋がります。
小さなことでも気になる事がある方は、症状が悪化しないうちに精神科の受診をすることをお勧めします。
