今回は「更年期に生じるうつ症状」についてのお話です。
45歳から55歳の間、閉経前後の女性が経験する「更年期」には、うつ症状があることが知られています。人によっては落ち込みと言ったうつの症状の他、ホットフラッシュやめまいといった身体の症状が目立つこともあります。
何故、更年期に入るとうつの症状が現れるのでしょうか。これには2つの大きな理由があります。
1つは女性ホルモンに変化が生じるからです。
女性ホルモンの一つ、「エストロゲン」が徐々に減少していくことに身体が追いつかず、先述のホットフラッシュといった身体の症状の他、うつや不安といった精神症状も現れます。また、ホルモンの変化により現れる症状は個人差が大きいと言われています。長期に症状が及ぶ方もいれば、症状が強く出る方もいるのです。
もう1つは、この更年期と呼ばれる時期に掛かってくる様々なストレスによる影響です。
先述通り、更年期にはホルモンバランスが崩れることにより、身体に何かしらの変化が起きます。また、年を重ねるにつれて自身の役割の変化、親や義親等の介護に、老いていく将来への不安といった悩みも重なってきます。
人によっては、ホルモンバランスの変化と年齢からくるストレス、この両方が更年期に生じるうつ症状に影響を及ぼすことも少なくありません。
では、更年期に生じるうつ症状には、どのような治療方法があるのでしょうか。
治療方法は大きく分けて3つあります。
1つは足りないホルモンを補充する療法です。
この療法は婦人科で行うため、婦人科医に相談することが前提となります。
簡単に治療の内容を説明しますと、エストロゲンなどの女性ホルモンを、様々な方法を使って補充するというものです。この療法は、欧米では幅広く行われており、日本では徐々に広まりつつある療法なのですが、一部血栓が生じやすいなど、人によってはこの治療が出来ない方もいます。
もしこの療法を検討される方は、婦人科医に相談し、ご自身でもリスクなどをよく調べた上で検討すること強くお勧めします。
もう1つは抗うつ薬・漢方薬を服用することです。
更年期に生じるうつ症状の治療は、基本的には服薬による精神面の治療になっています。現れている症状によって、抗うつ薬といった精神薬を使うこともありますが、場合によっては漢方薬を服用する可能性もあります。どのような薬を使って治療するかは、主治医と相談していきましょう。
最後の1つはストレスへの対策をすることです。
更年期に生じるうつ病は、うつ病や適応障害同様にストレスが症状に直結しています。なるべくストレスを減らすために環境を整えることが大事です。
特に様々なストレスの中では、介護が大きな要因になっている方もいるでしょう。介護は長期に及ぶことがありますし、ストレスもたまります。抱え込んでしまうと大きなストレスになってしまうので、必要に応じて介護保険制度などを利用し、心身のストレスを出来る限り軽減していくのが大事です。
更年期に生じるうつは、人によって症状の強さや、症状が生じる期間に大きな差があり、その背景には、ホルモンバランスの変化や様々なストレスなどがあります。
治療方針は、ホルモンの補充や薬の服用、ストレスの対策などがあります。
自分に合った方法で、ストレスをなるべく軽減しながら、更年期に生じるうつを乗り越えていきましょう。