今回は、うつ病と適応障害の違いについてのお話です。
生じる症状がよく似ているうつ病と適応障害。この2つにはほぼ同じところがあれば、全く違うところもあり、またはその2つの症状の間も存在していると言われています。
まずは、うつ病と適応障害について簡単に説明していきます。
うつ病は、落ち込みなどのうつ症状が2週間以上続く症状が特徴で、原因としては脳内物質の一つであるセロトニンが不足していることによる脳の不調だと言われています。
主な治療手段は薬物療法・休養です。
適応障害は、ストレスによってうつ症状が悪化し、原因としてはストレス反応になるため、先述の脳の不調は関係ありません。主な治療手段はストレスへの対策・精神療法です。
次にうつ病・適応障害に共通する部分についてです。
どちらも落ち込みやイライラといったうつ症状が生じ、ストレスで症状が悪化する共通点を持ちます。また主な治療手段も、症状によって優先順位が異なっては来ますが、主に薬物療法・休養・精神治療となります。
逆にうつ病・適応障害の違いについてですが、まず発症に至る原因が異なっています。
うつ病の場合は先述通り、セロトニンが不足することによって生じます。
しかし、適応障害はストレスの反応によって症状が出ます。
また、ストレス減少時にも違いがあり、適応障害ではすぐに回復が見られますが、うつ病はゆっくり回復に向かいます。
そして治療の優先内容も異なっており、うつ病は薬物療法と休養が、適応障害はストレスの対処といった精神療法が優先されます。
このように、うつ病と適応障害には共通した部分と、それぞれ異なる部分が存在しますが、
中にはそのどちらにも属さない、間と捉えられる傾向の方もいます。
例を挙げますと、休日に症状が良くなる一方で、仕事のことを思い出してしまって不調をきたすケースや、同じく休日に不安の症状が改善されるも、倦怠感や興味の喪失が残っているという場合もあります。
また治療の中で、診断は適応障害と言われたが、症状の内容によっては抗うつ薬を服用することもあります。
そして、うつ病と適応障害はそれぞれの状態に変化する場合があります。
うつ病から適応障害に変化した場合ですと、普段のうつ症状が治療により良くなったものの、ストレスがある時に症状が出てくることがあります。
逆に適応障害からうつ病に変化した場合になると、以前は仕事中のみうつ症状があったが、後に休日も倦怠感が生じ、落ち込んだ状態が続くようになることもあります。
このように、うつ病と適応障害ははっきりと区別できる部分がある中、それぞれが似た特徴を持っているので、その延長線上でどちらにも当てはまるような症状も現れることがあります。
この場合の主な治療は、上述にもあげた薬物療法・休養・精神療法をバランスよく組み合わせて行います。
例えばうつ病寄りの症状が出ている方には服薬と休養、適応障害寄りの症状が見られる方には精神療法を優先するといった具合です。
うつ病と適応障害は、違う部分もありますが、共通した部分もあるために、どちらとも取れない症状が現れたりします。主な3つの治療を、症状の傾向に合わせてバランスよく行うことがあることを、覚えておくといいでしょう。