はじめに
心の不調は誰にでも起こりうるものであり、特に現代社会ではストレスが原因で「適応障害」と診断される方も増えています。適応障害はうつ病と似た症状を示すことがありますが、原因や回復へのアプローチには違いがあります。そのため、休職中の過ごし方や復職に向けた準備も異なります。
本記事では、適応障害で休職になった場合の療養のポイントや、うつ病との違い、復職に向けて意識すべき点について詳しく解説します。
1. 適応障害とうつ病の違い
まず、「うつ」と聞くと「うつ病」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際には適応障害も抑うつ症状を伴うことがあり、広い意味で「うつ」に分類されることがあります。
うつ病の特徴
うつ病は脳の働きに変調が起こり、気分が落ち込み、意欲が低下し、日常生活に支障をきたす病気です。休養してもすぐには改善せず、薬物療法が必要になるケースも多いです。特に、明確なストレス要因がなくても発症することがあるのが特徴です。
適応障害の特徴
一方、適応障害は特定のストレス要因がきっかけとなり、気分の落ち込みや不安、イライラ、意欲の低下などの症状が出ます。しかし、ストレスの原因がなくなれば回復することが多く、薬の必要性も比較的少ないとされています。
このように、うつ病は「脳の不調」が主な原因であるのに対し、適応障害は「ストレス反応」として症状が出る点が大きな違いです。そのため、適応障害の療養では、ストレス対策が重要になってきます。
2. 休職期間中の過ごし方
適応障害で休職する場合、休職期間を前期・中期・後期の3つのステップに分け、それぞれの時期に適した対応をすることが重要です。
【前期】休養期間
休職直後は、まずストレスの元から離れ、しっかりと休むことが大切です。適応障害の方の多くは、休むことでストレスが軽減し、症状が改善しやすくなります。
ポイント
・仕事のことを考えすぎず、心と体を休める
・規則正しい生活を心がける(昼夜逆転しないように注意)
・趣味やリラックスできることを取り入れる
この時期は無理に何かをしようとせず、しっかりとエネルギーを回復させることを優先しましょう。
【中期】リハビリ期間
ある程度気力が回復してきたら、少しずつ体を動かしたり、社会活動に慣れるためのリハビリを始めます。ただし、急に無理をすると反動が来るため、慎重に進めることが大切です。
ポイント
・軽い運動(散歩やストレッチなど)を取り入れる
・短時間の外出や、人と話す機会を増やしてみる
・読書や勉強など、仕事に関係のない活動を取り入れる
この時期は、焦らずに「少しずつ活動を増やしていく」ことが大切です。
【後期】復職準備期間
休職期間の後半になったら、復職に向けた準備を始めます。適応障害はストレス反応なので、同じ環境に戻ると再発する可能性もあります。復職に向けて、以下のポイントを考えておきましょう。
ポイント
①休職前のストレスの振り返り
・どんなストレスが原因で適応障害になったのか?
・そのストレスに対処できる方法はあるか?
・もし同じ部署に戻る場合、どう対処するか?
②ストレスへの対処技術を身につける
・ストレスを発散する方法を見つける(運動・趣味・リラックス法など)
・考え方の癖を見直す(認知行動療法を取り入れる)
・マインドフルネスを活用する(自分の感情を客観視する習慣をつける)
③会社との相談
・同じ部署に戻るのか?異動を希望するのか?
・会社のルール上、異動が可能かどうか?
・希望と会社の対応が折り合わない場合、転職も選択肢に入れる
適応障害は「環境のストレス」が原因であることが多いため、復職前にしっかりと対策を考えておくことが重要です。
3. 復職後のポイント
復職後も、無理をせず慎重に進めることが大切です。
復職後の注意点
・最初は短時間勤務や軽い業務からスタートする
・ストレスが溜まらないよう、適度に休憩を取る
・適応障害を繰り返さないために、ストレス対策を継続する
特に、以前と同じ環境で働く場合は、ストレス対策を強化することが必要です。もし「またストレスが強くなりそう」と感じたら、早めに相談することをおすすめします。
まとめ
適応障害はストレスが原因で起こる心の不調ですが、ストレスの対策をしっかり行うことで回復が期待できます。休職期間を前期・中期・後期に分け、それぞれの段階に応じた療養を行うことが大切です。特に、復職準備では「ストレスの振り返り」「ストレス対処技術の習得」「会社との相談」の3つが重要になります。
適応障害で休職することは決して珍しいことではありません。焦らず、自分に合った方法で回復を目指していきましょう。必要であれば、専門家や会社と相談しながら、無理のない形で復職を進めていくことをおすすめします。