心電図の基礎と読み解き方をわかりやすく解説!
心電図(ECG)を読むことに苦手意識を持つ方は多いのではないでしょうか。
実際、私自身も最初は波形を見ても全く理解できず、どこをどう読めばいいのか分かりませんでした。
しかし、心電図の基本的な仕組みを理解し、ルールを押さえれば、決して難しいものではありません。
この記事では、心電図の基礎から読み解き方までを詳しく解説していきます。
心電図とは?

心電図(ECG: Electrocardiogram)は、心臓の電気的な活動を記録する検査です。
心臓は、電気刺激によって拍動し、血液を全身に送り出しています。
この電気活動を皮膚上の電極で捉え、波形として記録したものが心電図です。
心電図を正しく読むためには、心臓の電気信号がどのように伝わるのかを理解することが大切です。
そのため、まずは「刺激伝導系」と呼ばれる心臓の電気伝導の仕組みについて説明します。
刺激伝導系とは?

心臓の電気信号は、以下の経路を通って伝わります。
- 洞結節(SAノード)
・ 心臓のペースメーカーと呼ばれる部位
・ ここから発生した電気刺激が心房に伝わり、心房が収縮する - 房室結節(AVノード)
・ 心房から心室へ電気を伝える役割を持つ
・ 電気信号を一時的に遅らせることで、心房が収縮し終わるのを待ってから心室へ伝達する - ヒス束
・ 房室結節を通過した電気が心室へ伝わる通り道 - 右脚・左脚(左右束枝)
・ ヒス束から分岐し、それぞれ右心室・左心室へ電気が流れる - プルキンエ線維(プルキンエ繊維)
・ 心室全体に電気を伝え、心室の収縮を促す
このように、電気信号が一定のルートを通ることで、心臓は効率的に拍動し、血液を全身に送り出します。
なぜⅡ誘導がよく使われるのか?
病院のモニターでよく見る心電図は「Ⅱ誘導」で記録されています。
心電図にはさまざまな誘導法(電極の配置方法)がありますが、Ⅱ誘導は心臓の電気の流れを最も分かりやすく捉えられるため、一般的に使用されます。
Ⅱ誘導では、「右手の電極(-)」から「左足の電極(+)」へ向かう電気の流れを記録しています。
この方向は心臓の電気的な活動と一致しており、波形が明確に表示されるため、多くの場面で利用されるのです。
心電図を読むための2つの基本ルール

心電図を正しく解釈するためには、以下の基本ルールを理解することが重要です。
・電気はプラスからマイナスへ流れる
・電極に向かう電気は上向き、電極から遠ざかる電気は下向きの波形になる
このルールを基に、心電図の波形を解釈していきます。
心電図波形の成り立ち
心電図の波形には、以下のような重要な成分があります。
- P波(心房の収縮)
・ 洞結節から発生した電気刺激が心房へ広がることで生じる波形
・ Ⅱ誘導では上向きに表示される - QRS波(心室の収縮)
・ Q波:心室中隔に電気が伝わる際に発生(やや下向き)
・ R波:心室全体に電気が広がる際に発生(大きく上向き)
・ S波:心室の収縮が終わるときに発生(やや下向き) - ST部分(心室の強い興奮状態)
・ 急性心筋梗塞などの診断に重要なポイント
・ ST部分の上昇や下降が異常のサインとなる - T波(心室の再分極)
・ 心室の筋肉が興奮から回復する際に起こる波形
・ なぜT波が上向きになるのか?
・ 再分極は外側から内側に向かって起こるため、結果的に上向きの波形になる
心電図を読み解く上で、これらの波形の意味を理解することが重要です。
心電図を活用するために

心電図を読むことは重要ですが、それだけでは意味がありません。
特に看護師や医療従事者にとっては、波形の変化に気づき、緊急性を判断し、適切に医師へ報告することが求められます。
特に注意すべき異常波形には以下のようなものがあります。
・ 急性心筋梗塞(ST部分の上昇)
・ 不整脈(異常なP波やQRS波の出現)
・ 高カリウム血症(T波の増高)
これらの異常を早期に発見し、適切な対応を取ることが、患者の命を救うことにつながります。
まとめ
心電図を理解するために大切なのは、以下のポイントです。
✅ 刺激伝導系の流れを理解する(洞結節 → 房室結節 → ヒス束 → 右脚・左脚 → プルキンエ線維)
✅ Ⅱ誘導が一般的に使用される理由を知る
✅ 「電気はプラスからマイナスへ流れる」「電極に向かう電気は上向き、遠ざかる電気は下向き」の2つのルールを理解する
✅ P波、QRS波、T波の成り立ちを理解し、それぞれの意味を把握する
これらを押さえておくことで、心電図をスムーズに読み解くことができます。
心電図をマスターすることで、より迅速で正確な判断ができ、患者の安全を守ることができます。
ぜひ、日々の実践の中で活用してみてください!