ASDやADHDがある人の感覚の違いについて

感覚の違いについて(発達障害の人の症状)

・時間間隔の問題
 朝起きるのが苦手だったり、身支度に時間がかかることがあります。

・衝動性の問題
 衝動買いをしてしまい、金銭的に困ることがあります。
 また、スマホやパソコンを目の前にするとSNSやゲームをしたい衝動に駆られることがあります。

・感覚過敏
 音や光に敏感で、疲れやすいことがあります。

・不注意の問題
 物を忘れたり、なくしたりすることがあり、手続きや出欠の返事が遅れることもあります。

・協調運動機能の障害
 手先が不器用で、運動神経が鈍く、ケガが多いことがあります。

・視覚・空間認知の障害
 物の位置関係が把握できず、物にぶつかることがあります。

発達障害の特性を持つ人にとって、日常生活でさえも時間感覚が弱いため、食事や睡眠を規則正しくとることが難しかったり、不注意のために用事を忘れたりすることがあります。また、感覚過敏のために疲れやすく、日々の生活が困難になることもあります。これらの困難が重なると、自己否定感が生まれやすくなるため、自分の特性を理解し、それに合わせた生活の整え方を知り、実践することが重要です。

気持ちの切り替えがうまくいかない(ASD)

発達障害の特性を持つ人の中には、一度始めたことを途中で止めるのが難しい人がいます。注意を切り替えたり、湧き上がった感情をリセットしたりするのが苦手です。例えば、美術の時間に絵を描いていても、時間が終われば描くのを止めなければならないが、特性を持つ人の中には途中で切り上げるのが苦手で、絵を描き続けてしまうことがあります。無理に止めさせると怒り出したり、その場では従っても後で不眠や爪を噛むなど、溜め込んだイライラが身体症状として表れることがあります。また、一度決めた手順を変更したり途中で止めたりすることが不得意な場合もあり、手順通りにできないと最初からやり直したがることもあります。

二次障害が起きる理由

二次障害とは、発達障害の特性によって生活や人間関係に行き詰まり、それを自分で解決できない結果、多くの失敗や挫折に悩み、さらに周囲の無理解によって責められることで自分を肯定できなくなり、感情や行動にゆがみが生じて過度な反抗や引きこもりなどの症状につながることを指します。発達障害の特性を持つ人の中には、努力しているのに報われないという辛い失敗や挫折を繰り返す人も少なくありません。早期に周囲の大人が特性に気づいた場合、その人の自尊感情を傷つけない対応ができますが、特性が見過ごされると、無理解や不適切な養育にさらされるリスクが増え、二次障害につながりやすくなります。二次障害は、周囲の無理解から起こることが多いのです。

内在化障害
うつ病、双極性障害、不安障害、強迫性障害、適応障害、依存症、心身症、引きこもり、不登校

外在化障害
暴力、家出、反抗挑戦性障害、行為障害、反社会的な行動

毎日頑張っているからこそ時に感情が爆発する

発達障害の特性を持つ人は、言われたことを真に受けたり、冗談が理解できなかったり、「暗黙の了解」がわからないことがあります。そのため、常に精神的な負担が大きくなります。それでも自分を抑えて頑張ろうと我慢していますが、周りの人の心ない言葉に傷つくこともあります。このように、限界を迎えたときに感情が爆発してしまうのです。職場でパニックを起こしたり、感情の爆発によってしばらく元に戻らないことがあり、体力を消耗してしまうこともあります。これが原因でさらに周囲から避けられてしまうこともあります。感情が爆発すると判断能力が低下し、一時的に本来の能力を発揮できなくなることもあります。こうしたメルトダウンは、体調や精神状態が良くない時に起こりやすいため、生活リズムを整え、無理をしないよう調整することが必要です。また、相談できる人を持つことも大切です。

同じ発達障害でも原因が違う

ASDとADHDの2つは、中心となる症状が異なります。ASDは主に人との関わり方に関する問題が特徴で、ADHDは集中力や行動、衝動のコントロールに問題があります。似た症状であっても、細かく見ると違いがあり、その違いを理解することで、より効果的な対策を立てることができます。例えば、ASDの人は「過集中」で支度が遅れることがありますが、手順を明確にしてスケジュールを立てることで改善することが多いです。一方で、ADHDの人は注意力が移動しやすく、支度に時間がかかることがあります。なお、ASDとADHDが併存することもあり、診断基準に基づいて両方の特性を持つこともあります。

「同一性保持」で心が安定する一方で

ASD(自閉症スペクトラム症)の人は、変化に弱いと言われています。これは「同一性の保持」ができなくなるためです。進学や就職、転職、結婚、転居などの大きな変化や、季節の変化、気温や気圧の変化も心身に影響を与えます。このような変化が重なると、精神状態が不安定になりやすいのですが、見た目には不安な様子が見えないこともあります。本人が変化に困っていることに気づいていないことが多いため、周囲に相談したり助けを求めることが難しい場合があります。そのため、変化に対応できず、仕事でミスをしたり、感情的になったりすることがあるのですが、周囲の人はその理由を理解しづらいことが多いです。「同一性保持」で心が安定する一方で、変化に弱いことで不安定になることがあります。

あいまいな表現がわかりにくい

例えば、「きちんと片付けて」と言われた場合、普通はゴミを捨てたり、散らかったものを元の場所に戻したりすることを想像します。しかし、自閉症スペクトラム症の特性を持つ人は、抽象的な表現を具体的に理解するのが難しく、「きちんと」が何を意味するのかわかりにくいことがあります。同様に、「ちょっと」「すぐ」といった曖昧な言葉や、「優しい」「平和」「危険」といった抽象的な言葉、さらには慣用句や遠回しな表現も苦手です。具体的に「机の上にあるノートを取って」といった指示をしないと、意図を理解するのが難しい場合があります。そのため、声をかける際は短く具体的な言葉を使って配慮することが重要です。

大人になってから発達障害(ASD)に気付く

ASDの人は、細かい部分にこだわりすぎたり、完璧にしないと気が済まなかったりして、必要以上に時間をかけることがあります。企画書や報告書は期限までに提出することが重要で、「まずは全体をある程度完成させる」という考え方を持つことが大切です。また、作業の進捗を把握するのが難しい人が多いため、「いつまでにどこまでやる」といった目安を決めて進めたり、上司と定期的に相談するのが良いです。他の人からの客観的なアドバイスも活用すると効果的です。

より具体的に見てわかりやすく「ASD支援」

ASDの人々は「視覚的な支援」が有効です。口頭で説明するよりも、文字や絵を使って視覚的に伝えるほうが理解しやすいです。スケジュール、持ち物リスト、やることリストなども視覚的に示すことで、繰り返し指示する必要がなくなります。メールも有効に活用しましょう。また、計画や手順は具体的であることが重要で、想定外の事態に備えて対処方法も示しておくと良いでしょう。相手が理解しやすいように、具体的な表現で伝えることが大切です。